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がん(疑い)の方 治療効果の見方

治療効果の見方

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がん治療の効果は、最終的には再発がなくどれほど生存期間を延長できるかどうかに尽きます。

ただ、ある程度進行したがんの多くは転移・再発しますので、治療しても「根治」を期待できないことが多々あるというのが現状です。状態によっては、
再発するまでの期間をできる限り延長する、または副作用の強い薬を使って無理にがんを小さくするよりもがんと共存して普段と変わりない生活を長期にわたり実現する、
ということも重要な評価の尺度になります。こうした考え方も反映し、最近は次のようなさまざまな治療効果を測る尺度(「エンドポイント」といいます」が登場しています。

 

1. 生存率

ある治療を受けた方がその治療後何年生きているかを示すものです。5年生存率90%であれば、治療後5年間生きている方の割合が90%であることを意味します。
「生存率」には再発して治療を続けている場合も含んでいます。以前がんにかかったことなど忘れたように健康な生活送っている方もいれば、
残念ながら再発して治療を続けている方もいて、いずれも生存率の中に含まれています。

 

2. 健存率

生存率だけでは治療後どのような状態で過ごしているのか不明ですが、患者さんや家族にとっては再発せずに過ごしたいと考えるのが当然です。そこで、
再発することなく生存している患者さんの割合を示すものとして「健存率」という尺度を利用することができます。

 

3. その他の生存率

近年の新しい抗がん剤の効果を確認するうえで、上記2つの尺度に加え以下のような尺度が用いられています。

① Overall Survival(全生存期間)
上記生存率に近い尺度です。治療後に患者さんが亡くなった原因ががんによるものかどうかに関係なく、治療を受けた患者さんが生存している期間を示しています。骨折や交通事故で患者さんが亡くなっても、がんで亡くなっても統計上は同じ死亡として取り扱います。

② Disease-Free Survival(無病生存期間)
治療後、再発や他の病気がなく患者さんが生存している期間をいいます。上記の健存率にやや近い尺度です。

③ Progression-Free Survival(無増悪生存期間:むぞうあくせいぞんきかん)
治療後、がんが進行せず安定した状態である期間のことです。進行がんの患者さんにとって、治療により生存期間を延長することが最も重要ですが、それが見込めない場合、長期間にわたり病状が安定し生活の質を保つことできることも重要です。そのため、この指標は、進行がん患者さんに対する治療効果を見るときによく使われます。

④ Relapse-Free Survival(無再発生存期間)
健存率と同じ尺度です。これは術後補助治療の後の再発率を見るのに適しています。

⑤ Median Survival(生存期間中央値)
メディアンとは統計でいう「中央値」のことです。9人の身長を測るとき丁度真ん中にあたる5番目の人の身長が中央値になります。Median Survival Time(MST)というと、治療を受けた集団の中で生存している人の割合が丁度50%になる期間をいいます。9名の方が治療を受け治療後再発等で既に4名亡くなり、その後5番目の方が亡くなった時、その5番目の方が治療開始から亡くなるまでの生存した期間がMSTとなります。MST12ヶ月といえば、患者さんたちに治療を行って12ヶ月経過すると半分の方は亡くなるということを意味します。

 

治療の効果について生存率以外に、以下のようなものがあります。

 

① 抗がん剤治療
奏効率(Response Rate)
固形がんの場合、治療後にがんの大きさがどの程度小さくなったかエックス線で確認します。奏効率は抗がん剤の効果をみる基準として最も一般的なもので、RECISTガイドライン(Response Evaluation Criteria in Solid Tumor, 2000)で次のように定義されています。

奏効率の定義
完全奏効
(Complete Response;CR)
すべての標的病変が消える上記状態が4週間以上持続
部分奏効(Partial Response;PR) 標的病変の長さを合計したものが30%以上減少
上記状態が4週間以上持続
進行(Progressive Disease;PD) 標的病変の長さを合計したものが20%以上増加
安定(Stable Disease;SD) PRおよびPDの基準のどちらも満たさない

② 放射線治療
放射線治療においても、一般的に生存率や奏効率を使っていますが、手術等治療では使わない尺度として局所制御率という尺度を使用しています。これは、放射線を照射した部位から、がんが再発または再燃*しない割合をいいます。例えば、3年局所制御率とは治療後3年間再発や再燃がないことをいいます。但し、他の部位に転移するかどうかとは無関係です。

再燃とは、治療により進行せずに安定した状態にあったがんが、あるときから急に進行を開始する状態をいいます。例えば、前立腺がんの治療でホルモン療法が行われることがありますが、ホルモン療法では、一定期間経過するとホルモン剤の効き目がきれてがんが増殖・進行を開始することがよくあります。こうした状態を再燃と呼びます。

③ 免疫細胞療法
免疫細胞療法は治療を行ってすぐに効果がでるものではなく、また効果が出る場合でも穏やかに作用するという特徴があります。究極のエンドポイントが生存率であることについては他の治療法と変わりませんが、そうした治療の特徴を活かして下表のような独自の評価尺度で治療効果を判定しています。他の治療法と大きく異なるのは、「長期安定」という尺度があることです。これは生存率の中の無増悪生存期間に近い尺度です。「不変」は、奏効率の「安定」と同じような使われ方をします。但し、「不変」とは、3ヶ月以上6ヶ月未満がん病変の大きさが変わらないことをいい、奏効率の観察期間である4週間と比較して長いものになっています。免疫細胞療法では、がんを一時的に縮小するよりも、生存を延長する、がんと長期共存することを重視するという考え方で治療し、評価しているようです。これは、最近の抗体医薬(抗がん剤)の評価の考え方と同じです。

疫細胞療法の治療評価基準
完全寛解 治療開始後3ヶ月以内に画像上からがんが見えなくなってくる
部分寛解 治療開始後3ヶ月以内に画像上のがんの面積が半分以下になる
長期安定 治療開始後ある時点から画像上のがんの面積が変わらない以上が6ヶ月以上続く
不変 治療開始後ある時点から画像上のがんの面積が変わらない状態が3ヶ月以上6ヶ月未満続く
進行 治療開始後3ヶ月経過して画像上のがんの面積が25% 以上増加